Claude Code の Agent Teams で資産運用のプロに議論してもらった
投稿日: 2026-04-04
カテゴリ: tech

Claude Code の Agent Teams 機能を使って、自分の資産について複数の金融プロフェッショナルの視点から分析・議論してもらう実験をした。
Agent Teams とは
Agent Teams は Claude Code の機能で、複数の AI エージェントにそれぞれ異なるキャラクター設定(ペルソナ)を与え、ひとつのテーマについて議論・分析させる仕組みだ。チームを組んで互いにフィードバックを与え合うことで、単一エージェントでは出にくい多角的な視点が得られることを期待した。
各アウトプットは Obsidian のマークダウンファイルとして書き出してもらい、後から読み返せる形で保存した。
第1ラウンド:4名の金融プロ
最初に試したのは、以下の4名構成だ。キャラクター設定の参考にしたのは こちらのポスト。
- Goldman(ゴールドマン・サックス風):攻撃的なリターン追求、数値ドリブンの分析
- Morgan(モルガン・スタンレー風):バランス重視、機関投資家的視点
- Bridgewater(ブリッジウォーター風):マクロ経済・リスクパリティの観点
- Vanguard(バンガード風):インデックス投資、長期・低コスト重視
自分の資産構成の概要(金額は非公開)を共有し、「現在のポートフォリオを分析し、改善案を提案せよ」という指示を出した。
3つのフェーズで進行
ラウンドは以下の3フェーズに分かれた。
- Phase 1 — 個別分析:各エージェントが独立してポートフォリオを分析し、自分のペルソナに沿った所見を出す。1エージェントあたり数百〜1,000字程度のレポート形式。リスク評価、資産クラスの過不足、改善の方向性などが含まれた。
- Phase 2 — クロスレビュー・議論:各エージェントが他のエージェントの提案を読んで批評・反論・補足を行う。ここで最も文量が膨らみ、4名分の往復でかなりのテキスト量になった。
- Phase 3 — 最終提案の統合:議論を踏まえて各エージェントが最終提案をまとめる。合意点と対立点を整理したサマリーも生成された。

アウトプットの内容とボリューム
全フェーズ合計で Obsidian に出力したマークダウンは約33,000文字、A4換算でおよそ30ページ相当のボリューム。内容としては:
- 現状ポートフォリオの評価(コメント付き)
- アセットアロケーションの見直し提案
- 地域分散・為替リスクへの言及
- 各エージェント間の意見の違いと収束ポイント
結果:提案の傾向が似通ってしまった
議論は活発に動いたが、4名とも最終的な提案の方向性がかなり似通ってしまった。具体的には「国際分散をもっとすべき」「債券比率を見直すべき」という方向に収束してしまい、各キャラの個性が薄くなった。
おそらく金融の世界では「正解」が定まりやすいために、ペルソナの違いが埋没しやすかったのだと思う。
第2ラウンド:キャラを変えて3名で再挑戦
そこで、より個性の立ったキャラクターを設定し直して再試行した。
- Vanguard(継続):前回と同様のインデックス投資家視点
- Yamazaki:日本の個人投資家向けシンプル投資を説くスタイル。iDeCo・つみたてNISA・生活防衛資金などの国内文脈を重視
- PrivateBank(プライベートバンカー):富裕層向け資産管理の観点。税務・相続・ストラクチャリングも含む
同じく3フェーズで進行
構成は第1ラウンドと同様の3フェーズ。ただし今回はエージェントを3名に絞ったため、フェーズ間の受け渡しがシンプルになり、議論の流れが追いやすかった。
- Phase 1 — 個別分析:3名それぞれが現状評価と初期提案を出す。Vanguard はコスト・シンプルさを軸に、山崎は税制優遇口座の活用余地を中心に、PrivateBank は資産の「構造」と将来の承継コストを気にした分析を出してきた。
- Phase 2 — クロスレビュー・議論:今回は3名分のやり取りだったが、前回よりキャラクターの差が出やすく、山崎が「シンプルに積み立てれば十分」と言うのに対して PrivateBank が「それでは機会損失がある」と反論するなど、実際に議論が噛み合った。
- Phase 3 — 最終提案の統合:3名の優先度の違いが反映され、「共通してやるべきこと」と「スタンスによって変わること」が整理された形でまとまった。

アウトプットの内容とボリューム
Obsidian に出力したマークダウンは第1ラウンドよりやや少なめのボリューム。文字数で約10,700文字。内容としては:
- 税制優遇口座(iDeCo・NISA)の活用余地の評価
- 生活防衛資金の適正水準の議論
- 資産承継・税務面からの構造提案(PrivateBank 視点)
- 3者それぞれの「やらなくていいこと」リスト

結果:そこそこの差異が出た
今度は3者の視点にそれなりの差異が生まれた。Vanguard はシンプルさを貫き、山崎は税制優遇口座の最大活用を主張し、PrivateBank は資産の「見せ方」や承継コストを気にした提案をしてきた。完全に別々の結論に至るほどではなかったが、それぞれの優先度や気にするポイントの違いが議論に出てきたのは面白かった。
所感
- 金融のように「答え」が収束しやすいドメインでは、ペルソナの差別化を強くしないと議論が均質になりやすい
- 国内・海外、長期・短期、税務・リターンなど評価軸の異なるキャラを設定するのが効果的だった
- アウトプットを Obsidian に保存しておくと、スマホで後から読めたり、そのデータを呼び出してまた別の分析に使ったりしやすい
- 最終的な判断は自分でするにしても、見落としていた観点を発見するツールとしては十分実用的
Agent Teams を使う際は、キャラクター設定の精度と多様性がアウトプットの質に直結すると感じた。次はファイナンス以外のドメインでも試してみたい。